品質偽装、把握から出荷停止まで8カ月 三菱マテリアルが不正発覚を謝罪



子会社で検査データの書き換えなどの不正が発覚した三菱マテリアルの竹内章社長は24日、記者会見を開き、「多くの皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを、深くお詫びする」と謝罪した。ただ、問題の背景については、調査委員会の結果を待ちたいとして、答えなかった。説明責任に後ろ向きな姿勢はあらためて問われそうだ。

不正が発覚したのは三菱電線工業と三菱伸銅、三菱アルミニウムの3社。3社とも一部製品で顧客が求めた品質基準に達していないにもかかわらず、基準を満たしているかのように検査データをごまかし、不適合品を出荷していた。

不適合品が出荷された可能性のある先は三菱電線が229社、三菱伸銅が29社。現在、対象企業に説明を始めているが、全ての安全性が確認できる時期は未定という。一方、三菱アルミは16社に不適合品を出荷していたが、すでに安全性の確認は取れたとしている。

三菱電線は今年2月に不正を把握したにもかかわらず、出荷を停止したのは10月23日だった。不適合品が混じっている可能性があることを知りながら、約8カ月も出荷を続けていたことになる。三菱電線の村田博昭社長はこの点について問われると「不具合があるかもしれないという状況を把握していたのかと言えば、結果的にはそうだ」と述べ、問題があると知りながら出荷を続けていたことを認めた。

公表までに時間がかかったことについては、不適合品の特定などに時間を要したと説明。「特定せずに公表すると、さらなる混乱とご迷惑をおかけすることになる」と釈明した。

世耕弘成経済産業相は同日の閣議後会見で「なぜこれだけ時間を要したのか、適切なタイミングで説明を受けたい」と不快感を示した。

三菱伸銅と三菱電線は11月中旬に社外弁護士を含めた調査委員会を設置、原因究明と再発防止策の策定を始めた。三菱マテリアルの小野直樹副社長は調査完了時期について、三菱伸銅は年内、三菱電線は「調査範囲が広く、12月末の完了は難しい」との見通しを示した。年末に三菱伸銅が調査報告を、三菱電線は調査の進捗状況を、それぞれ報告する。

三菱マテリアルの竹内社長は、組織ぐるみの可能性について「調査委員会で事実関係の詳細と原因究明にあたっているので、答えられる段階にない」と言及を避けたが、親会社の関与については「まったくなかった」と明確に否定した。自らの経営責任については「私の責務は今回の問題を早期に解決して、再発防止策を実行することだ」と述べるにとどめた。

神戸製鋼所に続いて発覚した品質データの偽装。日本のモノづくりに対する信頼は大きく揺らいでいる。

(志田義寧 浜田健太郎)

[東京 24日 ロイター]

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