2年連続初戦突破を呼び込んだ佐賀東の2連続“ノールックパス”



関東第一戦で先制点を決めた佐賀東FW中里知己 [写真]=瀬藤尚美

取材・文=篠幸彦(提供:ストライカーデラックス編集部)

「たまたま点が入ったからこんな状況なったと思っている」

 第96回全国高校サッカー選手権大会の開幕戦という舞台で2-0という完封勝利を収めた試合後、佐賀東の蒲原晶昭監督は報道陣にそう漏らした。前半は関東第一がボールポゼッションを高め、中盤の選手が流動的に動き、ブロックを敷く佐賀東の守備陣の足を奪うように走らせた。「ちょっと距離感が遠かったらボコボコにやられてしまうんじゃないかと思っていた」とベンチで蒲原監督がややナーバスになる中、選手たちはよく走り、距離感を詰めて粘り強い守備でしのいだ。

 そして後半、今度は佐賀東が後半開始からキャプテンの江頭弘太を投入し、関東第一に傾いた流れを一気に引き戻した。後半6分、勝負を分ける1点目が入る。小野真稔からのパスを江頭は素早くターンし、広く空いた右サイドへノールックでパスを流した。そこへ右サイドバックの山田昭汰が駆け上がり、ダイナミックなドリブルで敵陣深くに進入。関東第一の嶋林昴生との1対1も巧みなステップワークでかわし、ニアサイドへクロスを送ると中里知己の頭にドンピシャリ。

「あそこに走ってくれていると信じていた」という江頭の右サイドへの展開、そして「あとで本人に確認したら、見えていないけどニアに感覚で上げたと言っていた」と、山田もノールックでクロスを上げていたという。しかし、この“2つのノールックパス”は決して偶然の産物ではない。「中で受けて逆サイドに展開して、サイドバックが上がってクロスにFWがニアで合わせるというのはいつも練習してきた形」というのは開幕ゴールをゲットした中里の弁。

 日ごろから幾度も練習を繰り返し、もうお互いのポジションを確認せずとも感覚で通じ合えるほどの必殺パターンを、選手権のオープニングゲームという大舞台で結実させた、佐賀東の見事な魂のゴールが2年連続の初戦突破という勝利を呼び込んだ。

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