越で農民1万人が“一揆” 土地収用に抗議 補償金なく無断で企業に売り渡し



 ベトナムの首都ハノイで4月、政府の土地収用に抗議する農民ら約1万人が、警察官ら38人を人質に取って1週間立てこもる事件が起きた。共産党一党支配のベトナムでは異例の“農民一揆”。背景には、高い経済成長を続ける同国で、成長の恩恵から外れた人々を覆う強い不公平感がある。

 ◆突然の逮捕

 集団蜂起の舞台は、ハノイ南郊のミードゥック地区ドンタム村。水田の中に民家や商店が点在する、首都の一角とは思えない静かな小村だ。

 騒動の契機は、1980年代に国がドンタム村の一部や周辺を接収したこと。軍用空港建設用地とされたが、住民によると、住民に連絡なく使用権が軍系列の大手携帯電話会社に売り渡されていた。住民は補償金を受け取っていないという。

 「国防目的ならともかく、正当な補償もなしに、われわれの土地を無断で企業に売るとは許せない」。怒った住民は地元当局に請願や抗議行動を繰り返した。

 当局は今年4月15日、警察官らを村に派遣、住民代表4人を「社会の混乱を引き起こした」として逮捕した。「話し合いに来るということだったのに突然逮捕された」(別の住民)。怒った村人たちはその場で警察官らを取り押さえ、村の施設に監禁した。

 事態を重視したハノイ市当局は住民との交渉で、監禁に関与した村人を罪に問わず、売却の経緯を再調査すると約束。警察官らは全員、解放された。




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