黒字経営での休廃業増加に危機感



 中小企業経営の後継者不足は深刻さを増している。経済産業省によると、2025年には70歳以上の経営者が約245万人に上るが、ほぼ半数の127万社で後継者が未定という窮状だ。

 後継ぎ確保の難しさは経営不振企業にとどまらない。16年に休廃業した企業は過去最多の2万9583件に達し、ほぼ半数が黒字経営だった。高い技術を持ちながら人材不足で会社をたたむケースが相次げば、日本経済全体の地盤沈下が避けられない。

 経産省はこのままいけば、今後10年間で約650万人の雇用と約22兆円の国内総生産(GDP)が失われると推計。強い危機感が、事業承継税制の抜本的な拡充へと政府を駆り立てた。

 こうした課題に対し、新たな商機を見いだす民間企業も現れ始めた。転職サイト運営のビズリーチ(東京)は先月、後継者問題を抱える事業者にM&A(企業の合併・買収)を促すため、売り手と買い手を結び付けるサイトの本格運用を始めた。後継者のいない経営者が社名を伏せて企業情報を掲載し、関心を寄せる買い手との間で気軽に情報のやり取りができる。登録数は既に約500件に達した。

 外資系のエヌエヌ生命保険は、事業承継の費用に備えた法人向けの保険商品を充実させる。後継者問題を克服するには国の政策頼みに陥らず民間主導の取り組みも不可欠となる。




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