印パ対立に新たな火種 カシミールの水力発電所、中国が前倒し竣工



 中国がカシミール地方のパキスタン支配地に建設中のカロット水力発電所が、予定より9カ月前倒しで竣工(しゅんこう)する見通しとなった。同発電所は現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の一部として中国が整備を進める中パ経済回廊の一大事業であり、深刻な電力不足に陥るパキスタンの一助となる。だが、建設地がインドとパキスタンが長きにわたり領有権を争うカシミール地域だけに、インドの怒りを買いそうだ。

 1947年以来の懸案

 中国国有企業、中国長江三峡集団傘下の三峽南亜公司は2016年12月、ジェルム川流域に発電設備容量720メガワットのカロット水力発電所建設計画に着工した。三峽南亜のチン・グオビン最高経営責任者(CEO)によると、21年12月の工事終了予定より9カ月早い竣工が確実視され、完成すればパキスタン初の水力発電となる。

 三峽南亜は計画の資金調達費を抑える積極策を講じていた。同CEOは「当社にとってパキスタンは戦略的市場だ。何とかして早期竣工すれば、資金調達を抑え、より競争力を高めることが可能だ」と述べた。

 2億人余りの人口を擁するパキスタンでは、成長に伴い人口も拡大。エネルギー需要も24年までに6%増の3万5000メガワットに達すると見込まれている。このため、この10年余りの間、同国は工場や住宅が停電に見舞われる電力不足問題を克服しようと苦戦してきた。そうした中、中国は電力不足の解消策提供に名乗りを上げ、中パ経済回廊の一環として500億ドル(約5兆6565億円)強のプロジェクトに資金を拠出した。三峽南亜はパキスタンでクリーンエネルギーに集中的に取り組んでおり、水力発電所と太陽光発電施設をそれぞれ3カ所ずつ、計60億ドル規模の事業を手掛ける。

双方の部隊がにらみ合い、関係冷え込む




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