東芝、三井住友も格下げ 債務者区分 地銀、融資回収検討



 三井住友銀行と三井住友信託銀行が、経営再建中の東芝の融資先格付けに当たる「債務者区分」を3月に「正常先」から「要注意先」に1段階引き下げたことが4日、分かった。東芝のもう一つの主力取引銀行であるみずほ銀行と準主力行の三菱東京UFJ銀行は既に引き下げている。一方、決算発表の再々延期の可能性が浮上したことで地方銀行は融資引き揚げの検討に入った。

 主力行はこれまで東芝の債務者区分について、「本業は好調で、半導体事業の売却も含めれば実質黒字」(主力行幹部)と判断し、最上位に当たる「正常先」に区分してきた。

 しかし、米原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の米連邦破産法の適用申請に伴い、平成29年3月期に国内製造業で過去最悪となる約1兆円の赤字を出す見通しとなった。これを受け、三井住友銀や三井住友信託銀は債務者区分を「要注意先」に1段階引き下げたもようだ。その下の「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」になると不良債権となり、多額の貸し倒れ引当金を積み増す必要が出る。

 一方、地銀や生命保険各社は、「主力行に比べ東芝の内部情報が十分把握できない」(生保幹部)ことから、おおむね債務者区分を「正常先」に据え置いている。だが、「決算を確定するに当たり、監査法人から東芝を『正常先』に区分したままでは承認できない」と指摘されるケースも出てきている。「要注意先」「破綻懸念先」への引き下げを迫られつつあるが、多額の引当金を積み増すと収益は圧迫されてしまう。

 一部の地銀は全額回収した方が得策として、融資引き揚げの検討に入った。今後、こうした動きが広がれば、一気に融資回収の流れが加速しかねない。

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