【ベンチャー支援の現場から】海外派遣で女性起業家を育成



 ■デロイトトーマツベンチャーサポート、東京都から委託

 東京都は、女性起業家の育成支援プログラム「APT Women(アプトウィメン)」を昨年10月から開始した。選抜メンバーをシンガポールなど起業が盛んな海外の都市に派遣し、現地での人脈作りも後押しすることで、女性起業家のさらなる成長や起業予備軍の裾野拡大を図っている。運営を委託されているのが、デロイトトーマツベンチャーサポート(東京都千代田区)だ。

 女性起業家にとって、日本は活躍しやすい環境とは決して言えない。日本政策金融公庫の調査などによると、2012年時点でベンチャー企業に占める女性起業家の割合は15%。14年時点では、女性起業家の約25%は雇用効果を生み出しておらず、10人以上の雇用を創出しているケースは全体の約14%にとどまる。

 また、女性起業家の代表格としてはディー・エヌ・エーの南場智子会長の名がしばしば挙がるが、あまりにも大きな存在で「ロールモデルとなる人が少ない」といった声も聞かれる。

 こうした現状から経営知識やスキル、ネットワークの不足といった課題を克服し、「あのようになりたい」といった身近な存在となる起業家を輩出するのがアプトウィメンの目的だ。

 対象となるのは年間売上高が数億円に達し数十人の従業員を抱えるなど、一定の実績を残している起業家。3カ月間にわたり「求められるリーダーシップ」「スケールアップ計画の立案」といったプログラムを実施し、その中から選抜して2週間程度、海外に派遣する。

 第1弾はニューヨーク。ファッション関連の起業家が多く、現地で商談会やプロモーション活動などを体験してもらう。第2弾は米シリコンバレー、3弾はシンガポールを予定。それぞれ先端技術系ベンチャーとアジアでの本格展開を目指すベンチャーが選抜される見通しだ。

 東京都以外でも、自治体単位で女性起業家の輩出を支援する動きが顕在化している。デロイトトーマツベンチャーサポートの金澤靜香・女性起業家支援主担当は、「点から線、そして面へと広がっていく役割を果たし、女性が起業家を目指す機運を高めたい」と話す。




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