専門医に聞くアルコールの科学 “飲むほど酒に強くなる”という常識のウソ(前編)



 年末年始は飲酒の機会が増える。体質的にお酒が苦手だという人もいる一方で、「少しずつ飲んでいれば、そのうち飲めるようになる」という声も聞く。本当だろうか。「お酒に強くなりたい」と考える女性ライターが、アルコール依存症の専門家である久里浜医療センターの木村充医師に「俗説」の真偽を聞いた--。

 筆者の趣味は外食で、周囲から酒飲みと思われることも多い。だが、実はかなり酒に弱い体質で、飲むと頭痛や目の痛み、吐き気、動悸(どうき)、眠気、といった症状が出る。実家の家族も全員、酒を飲まない。

 それでも、いい料理を食べるときには、一緒においしい酒も楽しみたいと思う。そのため、会食の前には念入りに準備する。ウコン飲料など、事前に飲むと悪酔いが防げるとうたう市販品はひととおり試したし、「牛乳が効く」と聞いて事前に飲むこともあった。

 こうした対策の効果のほどはよくわからない。なぜなら同じ対策を行っても、ワインを数口飲んだだけで吐いてしまう日もあれば、日本酒を3合くらい飲める日もあるからだ。なぜ「酒に弱い日」と「酒に強い日」があるのだろうか。

写真=iStock.com/kuppa_rock(PRESIDENT Onlineより)

写真=iStock.com/kuppa_rock(PRESIDENT Onlineより)

 今回、酒に関する「俗説」を退け、科学的に正しい知識を学ぶため、国立病院機構久里浜医療センター・精神科診療部長の木村充医師を訪ねた。同施設は、昭和38年に日本初のアルコール依存症専門病棟を設立し、現在もアルコール依存症をはじめ、さまざまな依存症患者の治療を行っている。

「強い」か「弱い」かの基本は遺伝で決まる




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